賃貸契約を結ぶうえで必ずと言っていいほど発生する仲介手数料。
仲介手数料なしで契約したいけど…なかなかそうはいきませんよね。
「そもそも仲介手数料ってどんなお金?」
「仲介手数料の相場は?」
「仲介手数料は安くできるの?」
など…賃貸の仲介手数料についてさまざまな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は賃貸不動産会社に勤める筆者が、
賃貸の仲介手数料について知っておきたい7つの重要ポイント
を詳しく解説していきます。
- 仲介手数料とは
- 仲介手数料の相場
- 仲介手数料1ヶ月は違法なのか
- 仲介手数料が安い不動産会社
- 仲介手数料「無料」のからくり
- 仲介手数料「無料」のデメリット
- 仲介手数料の交渉
上記7つのポイントを詳しく解説していきますので、この記事をお読みいただくことで賃貸の仲介手数料についてしっかり理解することができますよ。
賃貸の仲介手数料とは
まずは賃貸の仲介手数料がどのような費用なのか。
詳しく解説していきます。
賃貸の仲介手数料とは、
物件の紹介や契約などの手数料として仲介不動産会社に支払うお金です。
実際に仲介不動産会社は入居希望者に対し、
- 物件の紹介、物件の内見案内
- 貸主(オーナー)への交渉
- 契約手続き(書類作成や重要事項説明)
- 鍵渡し など…
お部屋探しから鍵渡し・入居までをサポートします。
仲介手数料を支払うタイミング
仲介手数料は成果報酬として支払うものです。
ですので仲介手数料を支払うタイミングは、物件紹介の後や入居申し込み後ではなく、
契約手続き完了後
となります。
紙面の物件紹介だけの場合や、お部屋の内見をした場合だけでは仲介手数料を請求されることはありません。
また、仲介手数料は敷金などの契約金と併せて支払うことが一般的です。
賃貸の仲介手数料の相場
賃貸の仲介手数料の相場はいくらくらいなんだろう?
仲介手数料の金額に関して疑問を持たれている方も多いと思います。
賃貸の仲介手数料の相場は賃料の1ヶ月分+税です。
実際に多くの大手仲介不動産会社が仲介手数料を賃料の1ヶ月分+税としています。
アパマンショップ | 賃料の1ヵ月+税 |
---|---|
ピタットハウス | 賃料の1ヵ月+税 |
ハウスメイトショップ | 賃料の1ヵ月+税 |
ホームメイト | 賃料の1ヵ月+税 |
いい部屋ネット | 賃料の1ヵ月+税 |
お部屋探しマスト | 賃料の1ヵ月+税 |
ハウスコム | 賃料の1ヵ月+税 |
タウンハウジング | 賃料の1ヵ月+税 |
おそらく皆さんがご存知の不動産会社ばかりだと思います。
もちろん中には仲介手数料を安くしている不動産会社もありますし、上記の不動産会社でもキャンペーンなどで仲介手数料を安く契約できる物件もあります。
ただ、現在の賃貸市場では、
「仲介手数料は賃料の1ヶ月分+税が相場」
とお考えいただいた方が良いでしょう。
賃貸の仲介手数料1ヶ月は違法?
多くの不動産会社が賃料の1ヶ月分+税の仲介手数料となっていますが、宅建業法では借主から原則0.5ヶ月分以内の仲介手数料とされています。
居住用建物の報酬額
貸主から賃料の0.5ヵ月以内
借主から賃料の0.5ヵ月以内
依頼者の承諾がある場合は、いずれか一方から賃料の1ヵ月分を受け取ることが出来る。ただし、この場合も貸主と借主から受ける報酬の合計額は、賃料の1ヵ月以内でなければならない
仲介手数料は消費税の課税対象
この点を踏まえると、仲介手数料が賃料の1ヶ月分+税を請求している不動産会社は違法のようにも思えますが、
「依頼者の承諾がある場合は、いずれか一方から賃料の1ヵ月分を受け取ることが出来る」
とあります。
つまり、借主(入居者)の承諾があれば仲介手数料を賃料の1ヶ月分+税を請求しても例外規定として違法ではありません。
そして多くの不動産会社では借主(入居者)から仲介手数料を満額1ヶ月分請求することを承諾させて賃貸契約を結んでいる形となります。
しかし、物件紹介・入居申し込み時に入居者から仲介手数料1ヶ月の承諾を得ているケースは多くはなく、実際に裁判で不動産会社が敗訴し、入居者へ手数料0.5ヶ月分の返還を求められた判例も出てきています。
参考: 仲介手数料裁判 東急リバ敗訴
このような判例もあって、今後はしっかりと承諾を得る不動産会社が増えてきたり、さらには仲介手数料を0.5ヶ月分とする不動産会社も増えてきそうです。
賃貸の仲介手数料が安い不動産会社
多くの不動産会社が賃料の1ヶ月分+税の仲介手数料を請求する中で、仲介手数料を原則通り賃料の0.5ヶ月分+税とする不動産会社も存在します。
その筆頭がエイブルとミニミニです。
エイブルとミニミニは仲介手数料を賃料の0.5ヶ月分+税とすることで、その他の不動産会社よりも高い集客力・仲介力を誇っています。
仲介手数料を抑えたい方は、エイブルやミニミニなど仲介手数料を相場よりも安く対応してくれる不動産会社を選択することで仲介手数料を抑えることができます。
しかし、
- 自社物件中心の紹介になる
- フランチャイズ店舗は仲介手数料が0.5ヵ月とならない物件もある
- オプション商品を付けられてしまう
- 結局初期費用が高くなることもある
- 賃料が低い物件はメリットが小さい
など…仲介手数料が安い不動産会社には注意すべき点も多いです。
また、仲介手数料が安い不動産屋に関しては筆者別サイトにて7社ご紹介していますので、よろしければ参考にご覧ください。
賃貸の仲介手数料「無料」のからくり
賃貸物件を探していると、
「仲介手数料無料!」
となるキャンペーンが行われている物件もあります。
「仲介手数料無料は嬉しいけど…なんだか怪しいな…」
「仲介手数料が無料で不動産会社は利益がでるの?」
このように感じる方も多いのではないでしょうか?
実は不動産会社は仲介手数料の利益だけではなく、さまざまな利益が発生します。
- 広告宣伝費
- オプション商品の売上
- 保証会社費用の売上
- 火災保険の売上 など…
さらに自社管理物件であれば、
- 家賃の3~5%の管理委託料
- 2年毎の更新手数料
- オーナーの信頼
このような利益も得ることができます。
仲介手数料の利益がなくなっても、不動産会社側の利益が全くなくなってしまうケースはほとんどありません。
そのため、長期で空室となっている物件など、
何としても入居してもらいたい物件
に関しては、仲介手数料を無料として入居を促進している形となります。
オーナーが仲介手数料を全額負担するケースも
仲介手数料が無料となるケースとして、
オーナーが仲介手数料を全額負担
してくれるケースもあります。
数は少ないものの、入居決定の為に不動産会社に協力してくれるオーナーも少なからず存在します。
賃貸の仲介手数料「無料」のデメリット
「仲介手数料が無料になることでデメリットはないの?」
このようにお考えになられる方もいらっしゃるでしょう。
仲介手数料が無料となるデメリットとしては、
仲介手数料が無料になる物件は人気がない物件である可能性が高い
と言えます。
- 駅からの距離が遠い
- 周辺環境が不便
- 日当たりが悪すぎる
- 騒音トラブル など…
何かしら入居が決まらない大きなデメリットを抱えている可能性があります。
仲介手数料が無料となっている物件の場合、
「なぜこの物件は仲介手数料が無料となるのか」
を担当の営業マンにしっかり確認した方が良いでしょう。
賃貸の仲介手数料の交渉について
最後に、仲介手数料の交渉について解説をしていきます。
入居者にとって仲介手数料は安いに越したことはありません。
「仲介手数料の値引き交渉がしたい」
とお考えになられる方も多いと思います。
しかし、仲介手数料の値引き交渉はあまりおすすめできません。
仲介不動産会社(営業マン)は部屋探しから契約手続き、鍵渡しをサポートしてくれます。
あまり無理に仲介手数料の値引き交渉をしすぎると、仲介不動産会社としてもいい気分はしません。
仲介不動産会社との関係が悪くなると、契約手続きから鍵の受け取り・入居まで対応が雑になる不動産会社も出てくるでしょう。
反対に、仲介不動産会社(営業マン)を強い味方にして、気持ち良く賃貸契約を結ぶことを筆者はおすすめしたいです。
仲介手数料の交渉ではなく、礼金交渉やフリーレント交渉がおすすめ
賃貸契約で発生する費用は仲介手数料だけではありません。
敷金、礼金、仲介手数料、保証会社費用、鍵交換費用など…
さまざまな費用が発生してきます。
そして、その中でも最も交渉しやすい初期費用の項目は礼金です。
礼金は貸主(オーナー)に物件を借りるお礼金となる費用で、入居者にとっては完全に無駄な費用となります。
賃貸契約を結ぶうえでも不要な費用ですので、上手に礼金交渉を持ちかけられれば礼金を割引してもらえるケースもあります。
また、礼金がない物件の場合はフリーレント(前家賃無料)交渉が良いです。
家賃も礼金と同様に、貸主側の利益になる費用です。
一時的な利益は無くなるものの、入居が決まるならと…
前家賃を無料にしてもらえることは珍しくありません。
仲介手数料よりもよっぽど礼金交渉やフリーレント交渉をした方が初期費用が割引される可能性が高いです。
さらに担当の営業マンを強い味方にできれば…?
礼金の上手な交渉術に関しては筆者の別サイト記事にて詳しく解説をしていますので、ぜひ参考にご覧ください。
まとめ
今回は仲介手数料について詳しく解説いたしました。
仲介手数料は多くの不動産会社で発生する費用となります。
仲介手数料についてしっかり理解することで、
- 賃貸契約をお得に契約できる
- トラブルなく契約できる
可能性が高まるでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
あなたがより良いお引越しができることを祈っています。