これからお部屋探しをされる方・賃貸契約をされる方にとって、
「賃貸の鍵交換費用」
は避けては通れない費用となります。
しかし、賃貸物件を契約する機会はそう多くはありません。
賃貸の鍵交換費用について疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は賃貸不動産会社に勤める筆者が、
賃貸の鍵交換費用について知っておきたい7つのこと
を詳しくお伝えしていきます。
- 鍵交換費用とは?
- 鍵交換費用の相場
- 鍵交換費用は負担するべき?
- 鍵交換費用を貸主負担とするケース
- 新築物件の鍵交換費用
- 鍵交換を拒否する交渉は可能?
- 鍵交換を自分ですることはできる?
上記7つの点について詳しく解説をしていきますので、この記事をお読みいただくことで賃貸の鍵交換費用についてしっかり理解することができますよ。
賃貸の鍵交換費用とは?
賃貸の鍵交換費用とは、
入居前に行う鍵交換で発生する施工費用
となります。
鍵交換費用は一般的に、敷金や礼金などの契約初期費用と併せて支払います。
- 契約金と併せて鍵交換費用の支払い
- 入居前に管理会社もしくはオーナーにて鍵を交換
- 契約開始日に鍵の受け取り・入居
以上が鍵交換費用の支払いから入居までの大まかな流れです。
賃貸の鍵交換費用の相場
「賃貸の鍵交換費用ってどのくらいが相場なんだろう?」
賃貸の鍵交換費用の金額について疑問を感じている方も多いと思います。
賃貸の鍵交換費用の相場は10,000円~20,000円前後となります。
鍵交換費用の金額は鍵の種類によって異なる
賃貸の鍵交換費用の金額は鍵の種類によって異なることが多いです。
- デジタルロック5,000円
- カードキー10,000円
- シリンダーキー15,000円
- ディンプルキー20,000円
大まかな鍵の種類と金額相場は上記のとおりとなります。
貸家や分譲マンションの鍵交換費用に注意
鍵交換費用で注意したい点は、貸家や分譲マンションの鍵交換費用です。
貸家の場合は特殊な鍵を利用していることも少なくありません。
また、分譲マンションの場合はオートロックと連動する鍵を利用する場合など相場よりも高い鍵交換費用となる可能性があります。
貸家・分譲マンションの場合だと30,000円~40,000円前後の鍵交換費用となることもありますのでご注意ください。
賃貸の鍵交換費用は負担するべき?
鍵交換費用は多くの不動産会社で、
借主(入居者)負担
とされています。
しかし、国土交通省のガイドラインでは鍵交換費用について、
入居者の入れ替わりによる物件管理上の問題であり、賃貸人の負担とすることが妥当と考えられる。
引用:国土交通省ガイドライン
とされており、鍵交換費用を貸主(オーナー)負担とする考え方が本来は望ましい形です。
それでも多くの不動産会社が鍵交換費用を借主負担としているのは、
「鍵の交換費用は借主負担とする」特約は有効なものとして扱われる
引用:国土交通省ガイドライン
「鍵交換費用を借主負担とする特約は有効」
と、ガイドラインでも認められているからです。
また、実際に裁判所で鍵交換費用の借主負担特約が認められた判例もあります。
参考判例:清掃費用負担特約並びに鍵交換費用負担特約について消費者契約法に違反しないとされた事例
上記の点から、多くの不動産会社では特約を付けて「鍵交換費用を借主負担」としています。
賃貸の鍵交換費用を貸主負担とするケースも増えている
しかしながら、
鍵交換費用を貸主負担とする不動産会社
も近年は増えてきています。
代表的な不動産会社としては、
- 大東建託
- 東建コーポレーション
など…鍵交換費用が発生しないことで初期費用を抑えることでき、結果として契約・入居へ繋がっているケースは少なくないでしょう。
また、筆者が勤める不動産会社でも鍵交換費用を貸主負担としており、とても好評です。
今後は鍵交換費用を貸主負担とする不動産会社も増えてくるのではと思います。
新築物件の鍵交換費用について
新築物件の場合、前入居者がいないため基本的には鍵交換費用が発生することはありません。
しかし、新築物件でも鍵交換費用が発生する可能性があります。
- カードキー発行料
- デジタルロック設定料
- スマートロック設定料
通常の鍵ではない場合では発行料や設定料として鍵交換費用が発生する物件もございますのでご注意ください。
賃貸の鍵交換を拒否する交渉は可能?
「鍵交換をすると初期費用が高くなるから鍵交換をしたくない」
「鍵交換をなしにする交渉はできる?」
このような質問を実際に頂いたりします。
結論としては、
鍵交換を拒否する交渉は可能
となります。
しかし、筆者としては鍵交換をしないことはあまりおすすめできません。
鍵交換をしないことは大きなリスクを伴う
鍵交換をしないということは、
前入居者とまったく同じ鍵を利用
することになります。
前入居者は使用した鍵を退去の際に全て返却する流れとなりますが、スペアキーを独自で作成していた場合だと前入居者が実際に何本の鍵を利用していたかは管理会社やオーナーは把握することができません。
そのため、
前入居者による空き巣などの犯罪
に巻き込まれてしまう可能性があります。
最悪は命を落としてしまうことも十分に考えられますので、多くの不動産会社では鍵交換を必須として賃貸契約を結びます。
鍵交換をしない交渉は通りづらい
よって、鍵交換をしない交渉はできるものの、実際に交渉が通る可能性はそこまで高くありません。
筆者としても、
「抑えられる費用と抱えるリスクが釣り合わない」
という意見から鍵交換に関してはできる限りされることをおすすめします。
賃貸の鍵交換を自分ですることはできる?
「鍵交換費用を安くしたい」
「鍵がちゃんと交換されてるか不安」
このような悩みや不安をお持ちの方もいらっしゃると思います。
鍵交換を自分で行うことができれば鍵交換費用を安くしたり、交換されているか不安に感じることもありません。
結論としては、
物件によっては自分で鍵交換を行うこともできます。
鍵交換をするにあたり、必ず必要なのは「貸主の了承を得ること」です。
まずは不動産会社に鍵交換を自分で行いたい希望を伝え、貸主側へ交渉をしてもらいましょう。
ただし、鍵交換を自分で行う了承が得られることはそこまで多くありません。
また、自分で鍵交換を行うことはかなり手間が掛かってしまいます。
どうしても自分で鍵交換を行いたい方は下記の記事がとても参考になりますので、ぜひご覧になってみてください。
まとめ
今回は賃貸の鍵交換費用について詳しく解説をいたしました。
鍵交換費用はまだまだ借主負担となる不動産会社が多く、賃貸の初期費用で発生しやすい費用です。
今回お伝えした内容をしっかりご理解いただければ鍵交換費用に関してトラブルなく契約をすることができるでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
あなたがより良いお引越しができることを祈っています。